掲示板を読む

件名 電力不足解消案
会員/非会員 非会員
投稿日 2011年5月3日
投稿内容 東日本の電力不足解消に、単純なアイデアが浮かびましたが、このアイデアの可能性の有無を知りたいと思っています。
60Hzの発電所を50Hzに改造するということです。
タービンの回転数を変えるのは難しいと思うので、回転数は変えないで、発電機の方で励磁を直流から交流に変えます。
大型火力発電機は2極ですので、励磁を直流から、10Hzの交流に変えます。
原子力発電機なら4極ですので、5Hzです。
電機子には理論的には50Hzが誘起されます。
これを直接東電の系統に繋ぎます。いろいろ問題は考えられ、効率はかなり落ちるでしょうが可能ではないでしょうか?
励磁用の10Hzか5Hzの電源を作るだけなので、夏には十分間に合います。
回転子、電機子をそのままで、発電できるでしょうか?
ただし変圧器等はたぶん変えなければなりません。中部電力か北陸電力の発電所を50Hzに改造して、直接東電の系統に繋ぐことは可能ではないでしょうか。
ただ60Hz系統に多大な迷惑をかけるので、政治的な判断も重要になります。もし中部電力か北陸電力に可変速揚水発電所があり、それが使えるのなら改造はかなり楽だと思います。電力が限られるのと送電が大変かも知れませんが可能ではないでしょうか?
回答  最初に、火力発電所や原子力発電所のタービンの回転数すなわち発電機の回転数を変えないで、発電機側の一部変更で、60Hzの出力周波数を50Hzにできないか、について考えてみます。なお、送変電機器についても50Hzと60Hzでは同じ機器を使えない場合が多く、そのままでは送電できませんが、ここでは発電機の改造に限って回答いたします。
まず、励磁を直流から10Hzの交流にすればどうなるかについてです。単純に今の発電機の励磁を交流に変えただけでは、回転磁界は発生しませんので、周波数は変わりません。励磁の大きさが10Hzで交番するだけになりますので、60Hzの電圧が20Hz(磁束の方向がプラスとマイナスになりますので)で振幅変調されたような形になります。
励磁で回転磁界を発生させるためには、少なくとも直交する2相や3相での励磁が必要です。つまり、励磁の巻線構造が大幅に変更されることになりますので、回転子は最初から作り直しになります。さらに、交流磁界が回転子内部に発生することになりますので、現在の大型タービン発電機で使われている塊状の回転子では、その内部に渦電流が発生し、界磁からの磁束が打ち消され,有効な磁束を得るのに大きな界磁電流・界磁電圧が必要になります。また発生した渦電流により大きな熱を発生します。この加熱を避けるには、可変速揚水発電機で採用されているような、薄いケイ素鋼板を積層して渦電流の発生を抑制する必要があります。(水車発電機の場合は磁極頭にある制動巻線の効果により,界磁からの磁束が打ち消され,同様に大きな界磁電流・界磁電圧が必要になります)
ただし、大型のタービン発電機の回転子として塊状の鉄心が用いられているのは、強大な遠心力に耐える必要があるからで、積層型のケイ素鋼板では材料強度が小さく製作はできません。なお、交流で回転磁界を作る場合、2極機であっても4極機であっても、励磁する周波数は60Hz機を50Hzで運転する場合には10Hzになります。
さらに、固定子を変更しないということであれば、回転子の大きさをほぼ同じにする必要がありますが、これも相当に困難であると考えられます。と言いますのは、現状でも、直流磁束を得るのに界磁電流を流すために必要な面積(回転子を輪切りにした状態での円周の長さ)は限られており、ほぼ限界にあると考えられます。これを、回転磁界発生のために2相あるいは3相の巻線にして同じ最大の大きさの磁束を発生させることは、単純に考えて、2倍あるいは3/2倍の円周を必要とすることになります。つまり、回転子の直径が5割増し程度になることになります。
また、かりに、同じ大きさの回転子で、直流励磁の場合と同じ大きさの10Hzの回転磁界を発生させることができたとしましても、発電機の出力は50/60程度に減少してしまいます。これは、電機子に鎖交する磁束の速度が50/60になりますので、これに比例して電圧が低下してしまうからです。なお、回転子側の発生磁束(起磁力)をさらに大きくすることは、固定子側の磁束密度が大きくなりますので、これも固定子の変更なしでは不可能です(実際には、現状以上の磁束密度を採用することは極めて困難ですので、固定子も大きくする必要があることになります)。
ただし、次の可変速揚水発電所の回答の最後に示しますように、励磁装置を経由してタービン出力の1/6は系統へ流れ込みますので、結局は60Hz機の場合とほぼ同じ出力が得られることになります。ここで注意しなければならないのは、励磁装置の容量が極めて大きくなることです。たとえば、120万kWの発電機をかりに改造できたとしますと、発電機の出力は電圧が低下しますので100万kWと低下します。励磁装置は、少なくとも、120万kWの1/6である20万kWの容量が必要となります。すなわち、佐久間周波数変換所の容量が30万kWですので、この2/3程度のパワーエレクトロニクス装置が必要となることになります。次に可変速揚水発電所の改造について考えてみます。
わが国で実際に実用されている近年の20〜30万kWの高落差大容量可変速機では、可変速運転が可能な範囲は定格回転数の±4〜5%(60Hz機では60±2.4Hz相当)程度とかなり狭くなっています。これは、この程度の回転数変化に対してもポンプの特性によって、揚水運転時の電動機入力を60%〜100%程度の範囲まで調整できるためです。したがって、そのままでは60Hz用の可変速機を50Hzでは運転できないことになります。
この可変速範囲を10Hz相当にまで広げるには、励磁用の可変周波数電源を大容量とする必要があります。可変速範囲を広げると、この励磁用電源を通過する電力がこの範囲の拡大にほぼ比例して大きくなるためです。この励磁用電源の容量を増加させることは、これを収容する空間も大きくする必要があることになりますが、地下にある揚水発電所でこれに対応するには更に空洞を掘削する必要があることになります。
この関係をもう少し定量的に示しますと次のような関係になっています。まず、水車やタービンからの機械入力をPtとします。すると電機子からの出力Psは、Ps = Pt /(1-s)、励磁電源を通過して系統側へ出ていく出力Peは、Pe = -s Pt /(1-s)となります。この二つを合計すれば、当然Pt となります。ここで、sはスリップで、電機子側の定格周波数をfoとし、回転子の機械的回転数相当の周波数をftとすれば、s =( fo – ft )/ fo で与えます。
ここで、fo = 50Hz、ft = 60Hzとしますと、s = -1/5、Ps = 5/6 Pt、Pe = 1/6 Pt となります。これに対し、前述の60±2.4Hz相当の可変速機では、Pe≒ 2.4/60 Pt になりますので、可変速範囲を10Hzへ拡大することは、4倍以上の容量の励磁電源を必要とすることになります。

以上

参考情報:資源エネルギー庁ホームページ
【HP周波数統一関連情報】
50Hzと60Hzの周波数の統一について
50Hzと60Hzの周波数の統一に係る費用について
【域間連系線等の強化に関するマスタープラン研究会】
地域間連系線等の強化に関するマスタープラン研究会

件名 原子力発電所の事故対応
会員/非会員 会員
投稿日 2011年4月3日
投稿内容 個人的に応用物理学会にも加入しています。応用物理学会では、放射線分科会に放射線についての基礎知識と安全に関する記事を記載すると共に「放射線線量計の寄付・貸与のお願い」を会員各位に発信するなど、事故対応に積極的に貢献しているように感じます。電気学会として、関東・東北地域の危機的な電力事情を改善するために、何ができるのか、臨時に専門委員会を立ち上げていただきたいと考えています。
・たとえば、50Hz地域を60Hzに変更した場合の課題と実現性について など
投稿内容
追記
関東、東北の電力不足解消のための一つのアイデアとして、臨時委員会設立と一部地域の60Hz化を提案しました。
課題や問題点は専門家で議論する必要があると認識していますが、インターネット上で電気設備の変圧器の特性を検索したところ、下記の記載がありました。○変圧器の周波数違いによる使用可否
変圧器は東日本と西日本の周波数の違いによって、使い分けが必要です。変圧器の特性上、東日本用の50Hz対応変圧器は60Hzの西日本で使用できますが、逆は使用不可能です。
50Hz用の変圧器を60Hz地域で使用した場合、励磁電流や無負荷損失が減少して効率が良くなりますが、短絡インピーダンスの増加や、電圧変動率の増加という変化を起こします。出典:電気設備の知識と技術 油入変圧器・モールド変圧器の構造と特徴
回答  わが国周波数を50Hzあるいは60Hzにかりに統一することになった場合の課題や周波数統一に関わる歴史的経緯については、すでに、「エネルギーレビュー」の2011年7月号に「東日本50ヘルツ、西日本60ヘルツはなぜ統一できないか」としてよくまとめられておりますので、ご参照ください。なお、著者と出版社の許諾を得て、課題に関わる部分を最後に掲載しております。50Hz地区の一部を60Hzにした場合も、全く同じ課題が発生することになります。また、50Hz地域の中の一部60H地区へ送電するための送変電機器も、50Hz地区の送電線が一部は利用できるとしても、50Hzの送電線と60Hzの送電線が接触しないよう、ある部分では新設も必要になる個所が出てくることも考えられます。なお、50Hz地域と60Hz地域の境界付近では、水車発電機の一部は50/60Hz両用に製作されています。このため、50Hz地域の電源不足の際には50Hzで運転されていました。もちろん、50Hz専用の送電線を通して送電されています。また、タービン・発電機の両方の回転数を変更するのは大変ですので、発電機だけを改造してタービンの回転数はそのままで60Hz機を50Hz機として運転できるのではないかとの、ご投稿もいただいております。これにつきましては、「電力不足解消案」のご投稿への回答をご覧ください。

以下は、「エネルギーレビュー」2011年7月号、p.p.11-14、著:横山明彦(東京大学)からの一部抜粋です。


わが国において50Hz、60Hzのどちらかに周波数を統一するには、莫大なコストと時間がかかり設備の改造過程で供給力不足を招くことから、何度も試みがありながら実現できずにきた。以下には、現時点での周波数統一の際の技術的な課題を電力機器ごとに述べる。
(1)電力機器の課題
(a) タ一ビン・発電機
50Hz用に設計されたタ一ビン・発電機を60Hzで回転数を1.2倍に上げて使う場合は、遠心力の機械的な問題から取り換えが必要となる。これは、タ一ビン・発電機は定格回転速度の数パ一セント以内でしか連続運転できないためである。逆に60Hz用に設計されたタ一ビン・発電機を50Hzで使用する場合は、同じ出力電圧・電力を得るためには、励磁電流を増加し発電機の鉄心中の磁束を増加させるので、鉄心の断面積が不足し、熱損失が増加する。したがつて、そのような運転はできない。磁束を制限内にすると、回転数が下がつた分、出力電圧が低下するので、発電機出力を大幅に小さく制限して運転することになるので、経済的に成立しない。また、回転速度は0.83倍に低下するので遠心力の問題はないが軸振動系の問題で連続運転できないことがあるので、取り換えが必要となる。
(b) 変圧器、分路リアクトル
50Hz用に設計された変圧器を60Hzで使う場合は、インピ一ダンスが増加するので電圧変動率が増加し、系統全体の電圧分布が変わる。また漏れ磁束により巻線や金属材料に発生する渦電流損失が増加し、局部加熱を引き起こす可能性がある。逆に60Hz用に設計された機器を、50Hzの同じ大きさの電圧で使用する場合は、励磁電流が増加し鉄心中の磁束が増加するので、飽和の磁束密度を超え磁束が漏れだし、局部加熱を引き起こす。したがつて、取り換えが必要となる。分路リアクトルではこれに加えて、次の電力用コンデンサの逆の問題が発生する。
(c) 電力用コンデンサ
60Hz用を50Hzで用いると、周波数に比例して容量(Var)が小さくなるので、遅れ無効電力の補償効果が小さくなるため、コンデンサの増設が必要となる。
(d) 保護リレ一
保護リレ一の主流はディジタルリレ一で、基本的には、電力系統の電圧、電流の瞬時値を基本周波数の12倍(30度)でA/D変換、サンプリングし、そのデ一タをもとにリレ一演算を行っている。例えば、電圧の実効値を計算する場合には、現時点でのサンプリングデ一タと3サンプリング(90度)前のサンプリングデ一タを用いるが、50Hz用のリレ一を60Hzで用いると、サンプリング間隔がずれ、90度離れたデ一タが108度離れたデ一タとなり、60Hz用のリレ一を50Hzで用いると75度離れたデ一タとなり、いずれも正しい電圧の実効値を得ることができなくなる。
したがつて、リレ一内部のアナログ入力基盤の改造をしてサンプリング周波数を変更する必要がある。また、サンプリングを利用してソフトウエアで生成するタイマがあるが、このタイマは周波数が換わるとずれるため、ソフトウエアの変更が必要になる。このほかにも通信装置、リレ一の伝送部のハ一ドゥエア、ソフトウエアの改造が必要になる保護リレ一もある。
(e) 業務・産業用機器
インバ一タ一駆動していない交流モ一タ一は、回転数が変化し、また機器耐量超過により運転できないため、取り換えが必要となる。また、需要家が所有している自家用発電機は (a) のタービン・発電機と同じ理由で取り換えが必要となる。
(f) 家庭用機器
家電機器の多くは、50Hz、60Hzのどちらにも対応しているので問題ないが、インバ一タ一非採用の蛍光灯など一部部品の交換、調整が必要なものがある。

(2)の系統安定度上の課題
以上述べたように、周波数の統一は現実的ではないが、もし電力機器が取り換えられ再調整が行われて、周波数が統一されたとすると、その同一周波数の電力系統の構成は、わが国の地理的な特徴から、青森から鹿児島までの2000kmにわたる長距離の串型交流系統となる。この系統で大量の電力を輸送しようとすると、発電機の回転が不安定になり、送電電力の長周期動揺などが発生し易くなるなど、安定供給上の問題が発生すると考えられる。
これを解決するためには、ちようど系統容量が半分ずつくらいとなる富士川あたりで、直流送電距離 0 mの同一周波数系統間の交直変換設備(BTB:Back-To Back)を設置し、系統を二つに分割することが必要になつていたと考えている。BTB設備は、直流を系統問に挟むことにより同じ周波数の二つの系統を非同期にすること、つまり、一方の系統で発生した事故の影響が他方の系統に波及することを遮断することができ、また地域間に流れる電力を制御することができるのである。これは、まさに現在の周波数変換所と周波数だけが異なり機能は全く同じ設備なのである。
このBTB設備は、現在、中部電力と北陸電力の間の連系設備として使われている。また、米国の非常に大きい60Hz系統においても、このBTB設備を用いて、東部地域、西部地域、テキサス地域と三つの系統に分割している。

以上

参考情報:資源エネルギー庁ホームページ
【HP周波数統一関連情報】
50Hzと60Hzの周波数の統一について
50Hzと60Hzの周波数の統一に係る費用について
【域間連系線等の強化に関するマスタープラン研究会】
地域間連系線等の強化に関するマスタープラン研究会

件名 超音波の新しい利用方法について
会員/非会員 非会員
投稿日 2008年9月29日
投稿内容 医療や探傷に対する超音波の研究は行われていますが,超音波洗浄や表面改質に対する超音波の利用に対する取り組みが日本では弱いのではないかと感じています。ロシアの文献を参考に実験しています。
新しい超音波の利用に対する可能性が大きいと考えています。「電気学会」としての超音波への取り組みを強化していただけますようお願いします。
回答 電気学会では,電気に関する学理およびその応用の研究調査活動を図っておりますが,その活動につきましては,各専門分野に応じて,研究調査専門委員会を発足して活動を行っており,現在200程の委員会が活動しているところでございます。ご提案いただきました,研究分野につきましては,弊会において調査活動の実績がない分野でございますが,今回のご提案を真摯に受け止め,当該会議へ報告させていただきますので何卒よろしくお願い申し上げます。(回答担当 事業サービス課長)
件名 責任ある対応を可能にする開かれた仕組みを
会員/非会員 非正員
投稿日 2003年9月12日
最近経験した電気学会のお役所的な対応についてお話しするとともに、開かれた運営の実現を願い、ささやかな提案をしたいと思います。学会誌に掲載された解説記事の内容について技術的な観点から些か問題と思われる点や間違っていると思われる点が、多々あることが分かり、具体的かつ詳細に指摘した質問書を関係する専門部会に送りました。余計なことと思いつつ敢えてした理由は、この分野に関わりを持つ人、あるいはこれからこの分野に取り組みたいと考えている人に、この解説記事が間違った情報を送ることになり、その結果技術開発に無駄な手間をかけることになるという思いからです。
しかしながら、およそ3ヶ月もかかった編修専門部会の回答は、指摘した事項を全く無視したとしか思えないようなもので、大変丁寧な表現で書いていますが、要するに門前払いの回答でした。即ち、明確な判断根拠を示さずに「許容できる範囲」と居直った主張でした。そして、編修専門部会の委員の方々がこの回答内容を了承したことも、学会の倫理綱領(9項、10項)とのあまりの落差を見せつけられた思いとともに、この様な安易な対応をする編修専門部会の運営に強い不信感を感じます。
そこで、透明で公正な対応を実現するために、私は以下のような仕組み(案)を学会に設けることを提案します。掲載論文、記事の技術的な内容の基本的な点について読者から問題点が指摘され、学会事務方が必要と判断した場合(不採用の場合は、その理由を明記して読者に回答する)、

  1. 事務方が「電子討論の場」を設定し、対象の論文、記事に係わった編修委員、査読者、推薦者以外のその分野の専門家に司会兼行司役を依頼する。
  2. 「電子討論の場」は、冷静に議論するため直接の関係者のみが関与するものとし、事務方を経由するメール交換形式とする。
  3. 討論者の名前は、自由な質疑応答が出来るよう原則として匿名とする。但し、事務方には、名前などを提出する。
  4. 司会兼行司役は、議論を集約する方向に導き、結論を出させるようにする。
  5. 司会兼行司役は、結論の公表を必要と判断した場合、学会のホームページに設けた専用の掲示板に公表する。

関心をお持ちの方々のご意見も踏まえて、学会として改善策を是非ご検討願います。

件名 2002年12月20日投稿:「全国大会発展的解消」について
会員/非会員 正員
投稿日 2003年1月27日
貴殿の日ごろからの電気学会への積極的な貢献にまず謝意を表したいと思います。また、今回の全国大会の解消のご提案、問題提起をいただき、ありがとうございました。電気学会調査担当副会長で、全国大会委員長を務めている立場ではなく,あくまで個人的意見として私見を述べさせていただきます。最近の科学技術の細分化は先端的技術向上に大きな貢献をもたらしてきました。また,一方では多くの課題を生み出しています。こうした課題解決のため、たとえば、日本学術会議では俯瞰的科学技術を推奨し、技術士の資格では分野のおおくくり化などの試みがなされております。学会活動においても、これまで、別々に活動してきた電気系の5学会が、活動を融合するために、連絡協議会を発足させることとなりました。昨年、ノーベル化学賞を受賞された田中耕一氏も、電気工学と高分子化学を融合させてイノベーションを起こしたことで受賞できたのではないでしょうか。こうした動きに象徴されるように、これからは、電気技術においても、俯瞰した視点が、より一層必要になってくると思われます。全国大会のように、すべての電気技術分野の研究者、技術者が集い、同じ場で議論することがより必要になりましょう。もちろん、貴殿のおっしゃるように、そのやり方には改良の余地がありましょう。最近では、すべての分野にまたがる課題を取り上げたシンポジウムも2件づつ開催されて、多くの議論が行われ、その成果をあげつつあります。部門大会との役割分担も考える必要がありましょう。国際化も重要な課題です。全国大会の場に、韓国、中国からのゲストを迎えているのもその一環です。英文誌の発行も前向きに検討され、今年いくつかの部門で発行が始まります。また、論文誌の国際的サイテ—ションインデックスとしての採用も働きかけています。

また、予算についても、今回はじめて取り入れた会費制度の改革、マンパワーの削減などにより、会員の負担を軽減しながら学会の健全な財政にも貢献しつつあります。

専門的な部門誌・部門大会,グローバルな会誌・全国大会をうまく調和させることが今こそ求められていると考えます。貴殿の問題提起を受けて、全国大会のあり方を含めた議論が会員間で巻き起こることを祈念致します。

件名 全国大会の発展的解消を提案する
会員/非会員 正員
投稿日 2002年12月20日
私は企業に所属する会員で,30年来電気学会にお世話になっております。発展的解消という主旨で,全国大会の今後に一石を投じたいと存じます。

  1. 提案の主旨
    電気学会は今,部門ごとに運営されており,部門大会(または総合研究会)が充実しています。すでに全国大会の役割はほとんど終わっており,数年後には部門大会一本にしても差し支えないものと考えます。論文誌も部門別論文誌があるだけであり,全部門論文誌の必要性は特段,認められません。
  2. 全国大会解消により生ずるメリット
    1. 会員は論文投稿の目標を絞ることができる(現状は,性格の似た論文の投稿の場が過剰であると感じます)。
    2. 全国大会の企画,運営に要する膨大な人的パワーと経費を省くことができる(全国大会は,総予算,約4,000万円,関係委員,約250人,準備期間,約2年の大イベントです)。
  3. 全国大会解消のデメリットと対応案
    1. 全国規模の論文発表の場が1年につき1回少なくなる。
      (対応案) 研究会,シンポジウム,国際学会などで救済する。
    2. トピックス的な報告の発表の機会が少なくなる。
      (対応案) 部門大会で1ページ物などを設けて救済する。
    3. 部門横断的なテーマの討論の場(例えば,シンポジウムなど)が無くなる。
      (対応案) 関連部門で引き受ける。
    4. 全電気学会規模の交流,懇親の場が無くなる。
      (対応案) 止むを得ない(他に適当な場を利用する)。

    このほかにも,見落としているデメリットがあると思いますが,デメリットは必ずしも救済不可能ではなく,大きいメリットを次の展開に生かすことにより,さらに新たな可能性が得られると考えます。

  4. 全国大会解消後の展望
    部門大会を今まで以上に充実させることは,言うまでもありませんが,ICEEなどの国際会議を積極的に運営することにパワーを振り向けてはいかがでしょうか(資源の重点再配分を目指す)。

    1. 国際学会を主催(または共催)する。
    2. 次代を担う青少年の啓蒙,教育プログラムを実施する。
    3. 電気系学術のデータベースの構築,電子出版の促進を図る。
    4. 英文誌を発行する。
    5. 電気技術者のステータス向上施策を実行する。

    上記のうちの一つでも実現させることができれば,解消の決断は十分に意義のあるものと思われます。
    偏見による,視野の狭い提案であるとのご批判があるかも知れません。目指すところは電気学会の活性化とグローバルな発展です。会員諸氏の忌憚のないご意見とご指導を賜りたいと存じます。