Q and A

よくある質問

産業計測制御に関する質問

1)産業界におけるPID制御、ロバスト制御等の応用事例、問題点を教えてください。
2)産業界における最新の制御技術 とその動向について教えてください。

一例として、第58回自動制御連合講演会のOSにて報告させていただいていますので、講演論文集をご覧ください。本OSでは産学の制御技術サプライヤの視点での制御技術実現に関する問題点をテーマにしています。
OSのテーマ名:制御技術サプライヤ
発表題目:
1. 汎用的な新制御技術の商品化におけるハードル
2. 専用的な新制御技術の採用におけるジレンマ

3)産業システムに関する最適化のベンチマーク問題を教えてください。

情報知能システムの新展開とその産業応用調査専門委員会編の技術報告1287号「産業応用のための最適化ベンチマーク問題集」をご覧ください。
産業分野においては,産業活動のあらゆる分野で省エネ,環境負荷低減のための技術開発が進められています。例えば,様々な制約を守りながらプラントや機器の運転コストを最小化する運用技術はその代表的なものです。このような技術が対象としている問題は,最適化問題として定式化され,問題の特徴に応じた最適化手法を適用することでその解を求めることができます。一般的に,最適化手法のロバスト性や速度,得られる解の最適性などの性能を検証するための方法として,標準的なベンチマーク問題が用いられることが多いです。しかし,標準的なベンチマーク問題は,かならずしも実問題をもとに定式化された問題ではないため,ベンチマーク問題で良い結果が得られた手法が産業分野における実際の最適化問題でも同様に良い結果が得られるとは限りませんでした。本技術報告では,産業界で扱われている実際の問題をもとに定式化されたベンチマーク問題をとりまとめています。具体的にはエネルギープラント運用計画,上水道送水ポンプ運用計画,自動ピッキングシステム運用計画,運転時の不確実性を考慮した電源ベストミックス,ボイラ制御におけるPIDコントローラ設計の各問題についてまとめています。

4)診断・監視に関する基礎技術について教えて下さい。

設備や装置を安全,かつ効率的に運用するためには,これらの劣化状態を把握し,効率的なメンテナンスを行うことも必要であり,日々収集されるデータ,定期検査の際に得られたデータに基づいた監視,ならびに劣化を診断する技術が非常に重要です。また,生体系も一つのシステムとして捉えられ,臨床上の病気診断やライフサイエンス等の分野で用いられる技術や手法も設備や装置などの監視・診断・検査と共通の土壌に立つものも多いです。すなわち,計測・収集されたデータの信号処理・統計処理に基づくシステム(設備,装置,生体)の診断・監視・検査を行う技術や手法は,多くの分野において共通の基盤技術として利用されています。
よく知られているように,最小二乗法,最尤推定法,フィルタリングなどは,診断・監視に関連する技術に限らず,多方面で活用されている手法です。また,計測データのピーク値,p-p値などのピーク解析,スペクトル解析,相関解析は,診断・監視に関連する最もシンプルな解析となっています。時間-周波数解析を行う手法としては,短時間フーリエ変換 (Short-time Fourier Transform) とウェーブレット変換 (Wavelet Transform) があります。ウェーブレット変換は,短時間フーリエ変換の問題点を解決するために考案された比較的新しい手法であり,構造物の診断,あるいは心電図波形解析など,様々な分野で適用されています。更に,近年では,機械学習の技術が様々なシステムの診断・監視の現場に浸透してきており,近傍法,線形判別器,混合分布モデル,サポートベクターマシンなど,様々な手法が適用されるようになってきています。

5)モーションコントロールについて教えてください。

電気工学ハンドブック第7版42編をご覧ください。
モーションコントロールは、産業を支える基本的な横断技術の一つで、その歴史は電動サーボ技術にさかのぼります。位置決め制御技術に始まり、速度制御や加速度制御、力制御を多自由度運動システムに適用し、自在に行う総合技術です。