開催日時:平成31年1月8日(火) 15時~17時
場所:北海道大学 情報科学研究科棟 5階会議室(札幌市北区北14条西9丁目)
参加費:無料
参加申込:事前申込は不要です.会場へ直接お越し下さい.
講演1(15:00-15:40)
演題:制御とサイバーセキュリティ
講師:澤田 賢治 氏(電気通信大学 准教授)
概要:2010年のイラン核燃料施設のStuxnet感染事件から始まり,最近の制御システムを標的としたランサムウェアやマイニングマルウェアの発生は「制御システムが攻撃者やサイバーインシデントに晒されている」事実を示すものである.対策は取られつつも,未だ暗中模索の状況である.本講演では,世界が制御システムのセキュリティ解決に苦労している状況とその理由を解説しつつ,講演者が関わる制御システムのセキュリティ技術動向を解説する予定である.
講演2(15:40-16:20)
演題:制御システムに対する最適輸送問題
講師:星野 健太 氏(青山学院大学 助教)
概要:近年,制御理論の分野において最適輸送と呼ばれる問題を扱う研究が行われている.最適輸送問題とは物質の輸送を数学的に定式化した問題であり,初期分布から所望の分布に物質を輸送する際のコストを最小化する問題として定式化される.制御理論では,群ロボットなど大多数の制御系からなる系などへの応用が期待され,最適輸送を制御系に対して実現する制御手法が研究されている.本講演では制御系に対する最適輸送問題の概要を紹介する.
講演3(16:20-17:00)
演題:ラフパス解析に基づくシステム制御理論
講師:西村 悠樹 氏(鹿児島大学 准教授)
概要:制御理論におけるシステム表現の最もベーシックな形は常微分方程式だが,入力信号にホワイトノイズのような高度に複雑な信号を含む場合,常微分方程式は定義できない.そこで通常は確率微分方程式を導出するが,常微分方程式と確率微分方程式にはシステム表現としての繋がりがないため,シームレスな制御設計や安定性解析が難しい.そこで本発表では,近年提案されたラフパス解析を用いてシステムを表現することで,常微分方程式と確率微分方程式を適切に繋げ,さらにラフ微分方程式によるシステム表現が非線形制御理論の発展に寄与することを紹介する.
企画担当:小林 孝一(北海道大学 大学院情報科学研究科)
E-mail:k-kobaya@ssi.ist.hokudai.ac.jp
Tel: 011-706-6452