注目論文(産業計測制御技術)

タイトル Notes on Numerical Methods for Solving Optimal Control Problems
著者 Francesco Biral, Enrico Bertolazzi, and Paolo Bosetti
巻号 IEEJ Journal of Industry Applications,Vol. 5, No. 2, pp. 154-166, 2016
推薦理由 現代制御理論の黎明期に理論整備が進んだ最適制御理論は, 近年の計算機性能の向上と設計ツールの整備に伴い, 産業応用分野の多くの制御対象に適用が可能になりつつある。最適制御は特に非線形系に対して大きな威力を発揮するため, 制御入力を実時間で解く手法も開発されるなど, 近年活発に研究が進められている。本論文では, 最適制御問題の数値解法の最新の成果について詳説している。著者のイタリア トレント大学准教授Biral氏は, 第1回SAMCON2015にてチュートリアル講演を務めるなど, この分野の第一線で活躍する若手研究者である。
タイトル Variable Gain Motion Control of Wafer Scanners
著者 Marcel F. Heertjes
巻号 IEEJ Journal of Industry Applications,Vol. 5, No. 2, pp. 90-100, 2016
推薦理由 ICの製造に用いられる半導体露光装置は, 最も高額で最も精密な制御装置と言われている。レチクル(マスク)に描かれた電子回路のパターンを光学系で縮小し, ウエハに焼き付けるウェハスキャナでは, ナノメートルオーダーの位置決め精度が要求される。本論文では可変ゲイン制御によるウェハスキャナの位置決め制御の最新の成果について詳説している。著者のオランダ アイントホーフェン工科大学准教授Heertjes氏は, 半導体露光装置最大手のASMLの主任技術者でもあり, 第1回SAMCON2015にてチュートリアル講演を務めるなど, この分野の第一線で活躍する若手研究者である。
タイトル Use of MEMS Inertial Sensors for Performance Improvement of Low-cost Motion Control Systems
著者 Roberto Oboe, Riccardo Antonello, Davide Pilastro, and Kazuaki Ito
巻号 IEEJ Journal of Industry Applications,Vol. 5, No. 2, pp. 78-89, 2016
推薦理由 近年, 加速度センサやジャイロセンサなど安価なMEMSセンサを用いてモーションコントロールの性能を飛躍的に向上させる技術が活発に研究開発されている。本論文では, MEMS慣性センサを用いたモーションコントロールの最新の成果について詳説している。著者のイタリア パドバ大学准教授Oboe氏は, IEEE Industrial Electronics Society 副会長で, 第1回SAMCON2015にて基調講演を務めるなど, この分野の第一線で活躍する研究者である。