Q and A

よくある質問

産業計測制御に関する質問(4)

4)診断・監視に関する基礎技術について教えて下さい。

設備や装置を安全,かつ効率的に運用するためには,これらの劣化状態を把握し,効率的なメンテナンスを行うことも必要であり,日々収集されるデータ,定期検査の際に得られたデータに基づいた監視,ならびに劣化を診断する技術が非常に重要です。また,生体系も一つのシステムとして捉えられ,臨床上の病気診断やライフサイエンス等の分野で用いられる技術や手法も設備や装置などの監視・診断・検査と共通の土壌に立つものも多いです。すなわち,計測・収集されたデータの信号処理・統計処理に基づくシステム(設備,装置,生体)の診断・監視・検査を行う技術や手法は,多くの分野において共通の基盤技術として利用されています。
よく知られているように,最小二乗法,最尤推定法,フィルタリングなどは,診断・監視に関連する技術に限らず,多方面で活用されている手法です。また,計測データのピーク値,p-p値などのピーク解析,スペクトル解析,相関解析は,診断・監視に関連する最もシンプルな解析となっています。時間-周波数解析を行う手法としては,短時間フーリエ変換 (Short-time Fourier Transform) とウェーブレット変換 (Wavelet Transform) があります。ウェーブレット変換は,短時間フーリエ変換の問題点を解決するために考案された比較的新しい手法であり,構造物の診断,あるいは心電図波形解析など,様々な分野で適用されています。更に,近年では,機械学習の技術が様々なシステムの診断・監視の現場に浸透してきており,近傍法,線形判別器,混合分布モデル,サポートベクターマシンなど,様々な手法が適用されるようになってきています。