平成19年度電気学会高校生懸賞論文コンテストについて

電力・エネルギー部門編修委員会委員長 高橋則雄

高校生、高等専門学校の生徒、学生の皆さんが、電気エネルギー技術を身近なものと感じ、我が国の基盤を支える重要な技術であるとともに、未来を拓く可能性のある有望な技術であることを認識し、電気工学を学ぶ契機になることを目的として、電気学会電力・エネルギー部門と電気事業連合会の共催で、電気学会高校生懸賞論文コンテストを開催いたしました。電気エネルギーを対象とした論文を募集し、テーマは自由で、字数は3000字程度(図、写真などを含む)としました。平成19年7月初旬に募集を開始し、論文受付締切りを9月30日(延長後)とした結果、70編の応募がありました。応募者の最も多い地域は北海道でした。論文の読みやすさ、論旨の展開、独創性、発展性、客観性などの幅広い観点から審査し、最優秀論文1編、優秀論文2編、佳作4編を選考し、また指導者賞として、優秀な応募論文の多い学校からご指導の先生1名を選びました。70編の論文から7編の論文を選ぶことは必ずしも容易な作業ではありませんでした。時代を反映して、環境、省エネ、節電、自然エネルギーなどが主題に選ばれて、若者らしい視点が述べられています。論文で述べられた問題意識や主張は、若者に対する将来の期待を感じさせます。論文の中には、自ら実験を行った結果に基づいて応用の可能性を示したり、廃熱のレベルを把握するための試算を行ったり、社会一般の省エネ意識を喚起するなど、技術に関する興味、期待の点ですばらしい主張を展開しているものがありました。現代の高校生が電気エネルギーに対してどのように感じているかが論文から読み取れ、審査員にとっても大いに勉強になりました。また、「このコンテストを機会に電気のことや身近な地球環境に関心を持ち、少しでも協力しようと思うようになった」などの感想が書かれているものがあり、本コンテストを機に高校生が電気工学に目を向けてもらえ、また、これから技術者になっていくであろう世代の意識を再確認することができ、有意義な論文コンテストになったものと思われます。受賞論文を発表しましたが、その他に惜しくも選に漏れた立派な論文が多数あったことを申し添えます。また本コンテストは、来年度も開催することにしておりますので、多数の高校生に応募していただきますよう、お願い致します。なお、本コンテストの企画・推進にあたっては、電気事業連合会、東京電力電気の史料館のご支援・ご協力をいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。また、審査員の皆様及び関係各位のご尽力に感謝いたします。