支部長からのメッセージ

電気学会 東京支部会員の皆さまへ

東京支部長 岡本 浩

電気学会は「電気学術とその応用振興に向け知識を共有し将来の進歩拡充をはかる」ことを目的に131年前に設立されました。その後の電気学術と技術の進歩は目覚ましく,私達は電気の全くない社会を想像することすらできません。さらに,モビリティの電動化・自動運転化などをはじめとして,急速に進みつつある社会全体の脱炭素化・デジタル化という方向を考えれば,将来の社会における電気の重要性はさらに増していることでしょう。一方で,近年,台風や地震など自然災害による長時間の停電による被害が各地で発生し,我々の産業や社会の基盤(インフラ)とも言える電力インフラのレジリエンスが大きな課題となっています。

中川新会長のメッセージLinkにあります通り,令和時代を迎えた我が国を新たな繁栄のステージに乗せていくためには,電気工学が異分野との融合を通じて,「サイバー・フィジカル空間に新たなインフラをつくりだしていくこと」が求められています。政府や産業界が進めている「Society 5.0」の実現には,フィジカル空間(実世界)とサイバー空間を横断して,電気があらゆるヒト・コト・モノを結びつけることで,新たなイノベーションを創出していくことが必要となるのです。

このために電気学会は,(1)部門間連携,(2)新たなInnovation創出に向けた学会間連携,(3)研究成果が『Valley of Death』に埋没せずに社会に活用されるような産・学・官連携,という「知の連携」を「マッチメーカー役」として進めていきます。

東京支部は,電気を学び,その知見を活用してこれからの社会の変化をリードしようとする志と意欲ある会員の皆様に,地域に密着した活動を通じて以下のような場を提供することで,電気技術の魅力を社会に広く発信するとともに,中川会長がスローガンとして掲げられた「平成から令和へ! 繋がる・拓く『連携』の未来」を実現していくため,「知の連携」のマッチメーカーとしての役割を果たして参ります。支部活動への会員の皆様の主体的な参画や,その運営に関わる様々なご意見やアイディアをお待ちしています。

  • 学会と現場,学生と社会(企業,研究機関)が情報交流する東京支部カンファレンスの開催
  • 学会発表が初めての学生に研究発表の場を提供し,表彰(東京支部学生研究発表会優秀発表賞)を行う学生研究発表会の開催
  • 教育コンソーシアムの枠組みを活用した社会人向けセミナーの開催
  • 英語論文の書き方や発表方法をテーマにした技術英語講座の開催
  • 時宜にかなった話題を取り上げるトピック講座の開催
  • 電気学会の総力を挙げた調査研究活動の成果を紹介する講習会の開催
  • 高校生を対象とした見学会付き講習会の開催
  • 小中学生を対象とした実験工作教室の開催
  • 各支所(神奈川,千葉,埼玉,栃木,群馬,茨城,新潟,山梨,静岡東部)の特徴を生かした講演会,見学会,研究発表会,実験工作教室の開催
  • 電気工学を修めた優秀な学部学生の表彰(電気学会東京支部電気学術奨励賞・電気学術女性活動奨励賞)の実施
  • ホームページおよびメールマガジン等による行事案内や活動紹介の実施
  • 学生を対象にした,実学としての電気工学,先端の電気技術を学ぶ教育コンソーシアム(大学院レベル)の開催
  • 会員からの要望を迅速に収集するための学会活動推進員および学生員委員会委員との定期的な意見交換会の開催

令和元年6月