第13回 エネルギーワンダーランド(第2部)

ENERGY WANDERLAND
第13回 エネルギーワンダーランド
第2部「電力システムにおける最新の技術開発動向と課題」/広島工業大学 情報学部 情報工学科 教授 永田 武 氏

電気の基礎的な事項の説明から始まり,電力エネルギーに関する課題として「電力エネルギーの安定確保」,「環境問題に対応した電力システムの構築」,「電力エネルギーの有効利用」に関して説明しました。これらの課題を解決に導く技術である「エネルギー貯蔵装置 SMES」,高度な「周波数制御技術・電圧制御技術」,「マイクログリッドなどの新電力供給システム」などの最新の技術について,開発動向と課題を幅広い視点から紹介しました。今後の技術の進展により電力エネルギー情報の見える化を進めると共に,個々人が省エネルギーに努力する必要があることを学生の皆さんに訴えました。
 1.電気について
 ○直流送電方式のエジソンと交流送電方式のテスラ
 ○直流 − 電圧・電流が時間によって流れる方向(正負)が変化しない
 ○交流 − 電圧・電流の流れる方向(正負)が時間によって変化する
 ○電力潮流 − 有効電力Pと無効電力Q
 2.電力システムを取り巻く状況
 ○電力システムの特徴① − 瞬時的性格持ち,電気の貯蔵能力はほとんどない
 ○電力システムの特徴② − 大域性と局所性を同時に有する
 ○電力システムの特徴③ − きわめて社会性の強いシステム
 ○電力システムの特徴④ − 人工のシステムの中でも最も巨大なシステム
 ○電力システムの特徴⑤ − 自然現象や人為的な原因による事故が発生することを前提にしたシステム
 ○日本の電力システム
 ○電力エネルギーの課題① − 長期的視点からのエネルギーの安定確保
 ○電力エネルギーの課題② − 環境問題に対応した電力システムの構築
 ○電力エネルギーの課題③ − 電力エネルギーの有効利用
 ○宇宙から見た地球 − エネルギー問題は地球規模で考える必要がある
 ○エネルギー密度の異なるエネルギーを安全に効率よく利用する技術を開発
 ○消費の無駄をなくす
 3.送配電部門における技術開発動向
 ○中国電力(株)中央給電指令所 指令室
 ○エネルギー貯蔵装置 SMES − 電気を磁気エネルギーの形態として貯める
 ○周波数制御① − 発電量と負荷量(消費量)はバランスしなければならない
 ○周波数制御② − AGC/ネガティブフィードバック/閉ループ伝達関数
 ○周波数制御③ − 負荷の急変による周波数の変化(ステップ応答)
 ○周波数制御の課題① − 電力の小売自由化対応
 ○周波数制御の課題② − 再生可能エネルギーの導入対応
 ○電力システム − 発電~変電~配電
 ○電圧制御① − 発電機による調整
 ○電圧制御② − 変圧器による調整
 ○電圧制御③ − 調相設備による調整
 ○新電力供給システム − マイクログリッド/地域分散エネルギー技術
 ○マイクログリッドを支える技術① − 新電源:環境調和型電源(風力・太陽光・燃料電池)
 ○マイクログリッドを支える技術② − 制御技術:高速ITネットワークを活用
 ○マイクログリッドを支える技術③ − 電力貯蔵:負荷変動に対応できる高性能な蓄電設備
 4.おわりに
 ○演習:呉高専の総需要480kWを太陽電池でまかなうために必要な面積は?
 ○答え:広島球場の約1/2の面積
 ○参考資料:電気学会 ホームページ/パワーアカデミー ホームページ

エネルギーワンダーランドの主旨説明 第1部「電気がつくる地球環境にやさしい世界」
第3部「”エネルギー王国”カナダの実情と石油関連技術の発展」 第4部「微生物を応用した発泡スチロールのリサイクル」
第5部「ものづくり教育をベースとした原子力人材育成プロジェクト」 第6部「中国地方の電力事情」
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お問い合わせ先:平成20年度エネルギーワンダーランド幹事
株式会社東芝 齋藤 TEL:044-288-6467