第13回 エネルギーワンダーランド(第6部)

ENERGY WANDERLAND
第13回 エネルギーワンダーランド
第6部「中国地方の電力事情」/中国電力株式会社 流通事業本部 西原 徹 氏

中国地方を例に,現在に至る電力需要の伸びと主要な電気設備の変遷について説明すると共に,CO2削減に向けた今後の取り組みと課題について説明しました。風力発電,太陽光発電等の自然エネルギーの活用には技術的な課題が多く,現状では十分な電力需要はまかなえないものの,電力貯蔵技術等の技術開発により,将来的には自然エネルギーの活用に関する技術的課題の克服は可能であることを説明しました。そして,「日本は工業立国であり,生活のみならず日本の産業を支えているのは電気であり,将来的な技術的課題の克服を含めて,この電気を支えるのは学生の皆さんである」ということを強く訴えました。また,最後に「電気工学をしっかりと自分のものに!」と学生の皆さんにエールを送りました。

 1.電気のくらし(変遷)
 ○現在のくらし − オール電化住宅の進展(新築戸建73%,集合住宅12%)
 ○皆さんが生まれた平成の初めのくらし − オール電化住宅の普及率は低調
 ○昭和30年代半ばのくらし − 電気・ガス併用住宅
 ○中国電力の電力需要の推移 − 平成元年から約1.6倍の増加
 2.中国電力の電気設備の歴史
 ○中国電力の電力需要と主要な電気設備建設の変遷
 ○中国電力の系統の変遷① − 昭和26年度:11万Vが主要幹線,瀬戸内海沿いに発電所建設
 ○中国電力の系統の変遷② − 昭和37年度:関西電力,九州電力,四国電力と22万Vで連携
 ○中国電力の系統の変遷③ − 昭和55年度:関西電力,九州電力と50万Vで連携,広域電源
 ○中国電力の系統の変遷④ − 平成13年度:50万V2ルート化,四国電力と50万Vで連携,広域電源
 3.中国電力の現状と今後の取組み
 ○「ベストミックス」をめざして − 原子力,石炭火力,その他の設備
 ○原子力発電の特徴(CO2排出抑制)
 ○発電電力量の割合
 4.CO2削減に向けた今後の課題
 ○中国地方における風力発電① − 中国地方で風の強い地域は山陰側に集中
 ○中国地方における風力発電② − 中国地方の風力発電の連系量は建設中を含み現在42万kW
 ○風力発電の技術的課題 − 風速で発電量が変化するため,電力系統の調整力を持たない
 ○太陽光発電と電圧との関係
 ○太陽光発電大幅導入の技術的課題① − 天候による制約と発電予測
 ○太陽光発電大幅導入の技術的課題② − 周波数変動に対する調整
 ○課題の克服 − 電力貯蔵技術などの技術革新/超電導電力貯蔵システム(SMES)の研究・開発
 ○中国電力のその他の取り組み① − 酸素吹石炭ガス化複合発電(15万kW級)の実証試験
 ○中国電力のその他の取り組み② − 電気自動車の実証走行試験
 5.おわりに

エネルギーワンダーランドの主旨説明 第1部「電気がつくる地球環境にやさしい世界」
第2部「電力システムにおける最新の技術開発動向と課題」 第3部「”エネルギー王国”カナダの実情と石油関連技術の発展」
第4部「微生物を応用した発泡スチロールのリサイクル」 第5部「ものづくり教育をベースとした原子力人材育成プロジェクト」
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お問い合わせ先:平成20年度エネルギーワンダーランド幹事
株式会社東芝 齋藤 TEL:044-288-6467