平成27年度(第102代)電気学会会長 大西 公平
電気学会は自由な雰囲気の中で、会員諸賢が学術と技術に関して相互の意見や考えを開陳する場です。電気技術に関連する様々な情報を交換し、互いの主張を明確にすることで学術や技術の発展に寄与があるからこそ、学会の意義があるのだと考えます。この精神に則り、学会内外においてその活動が会員相互のみならず社会とも互恵になるよう開かれた学術活動を展開したいと考えます。
平成26年版高齢社会白書によると2050年には65歳以上の人口が世界で約六分の一に達し、中でも先進国ではこの割合が約四分の一に、日本では約五分の二になると予測されています。このような超成熟社会では、工業生産量に代表される「量」の拡大が社会の発展になるというパラダイムが通用せず、このままでは長期的な凋落と低迷が待ち受けることになりかねません。
来たるべき社会の基本的な発展は量の追求よりも質の充実、特に生活の質(Quality of Life)の充実にあるのではないでしょうか。そのために、便利で使い易い電気技術とその周辺技術が大きな役割を果たすでしょう。それは進取の気性に富んだ電気学会が更なる寄与をなす時代が到来していることを意味します。社会の持続的発展の道を拓いて世界に貢献するとともに、会員にも利益をもたらす運営を目指したいと考えます。
会員諸賢のご支援、ご鞭撻とご協力を賜りますようお願い申し上げます。