平成25年度(第100代)電気学会会長 日高 邦彦
電気学会が創設125周年を迎える年に,第100代目の会長を任ぜられました。これから1年間,会員の皆様とともに電気学会の発展,そして何よりも電気学会の活動を通じて,より良い社会作りのために,どれだけ貢献できるかを考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
一昨年の東日本大震災以降,これまで成熟していると考えられていた原子力発電や電力供給システムなどに対して,国民の中に不安をもたらしたことも事実です。電気学会は公開シンポジウム「大切な電気エネルギーのインフラ構築に向けて」を日本各地で開催し,広く会員外の方々にも参加して頂き,大切な電気エネルギーをどう作り,どう送り,どう配り,どう使うかについて議論するとともに「技術」に対する信頼の回復に努めてきました。
こうした地道な活動を継続しつつ,次のステップとして物心両面で豊かな社会や国にしようという議論があってもよいと考えています。このことを念頭に置きつつ,電気学会が取り組むべき重点課題として次のようなものがあると考えております。
- 5年が経過した中長期ビジョンの基本政策のレビュー
- 他学会との連携を進めながら,災害に強い,豊かな日本の実現へ
- 国際標準化活動の推進
- 高齢化社会にマッチしたシニアパワーの活躍による学会活動活性化
- 活動の見える化と社会への発信力強化
- 社会における技術者認知度の高揚
- 財務体質の健全化に向けての検討を加速
125年の歴史をもつ電気学会,その会員であることを私自身,大変誇りに思っています。すべての会員がそう思えるような電気学会を目指して,これからも皆様とともに活動していきたいと考えます。
豊かな社会の実現,そこに向かって一歩ずつ前に進んで行きましょう。